便秘の薬

こんにちは

院長の中島です

しばらくブログの更新は診察日と診察時間のお知らせだけでしたが、10月から診療時間を変更してクリニックも新たな出発を迎えたこともあり、気持ちも新たにブログで医療情報などをお伝えしていこうと思います。

まず最初は下剤のお話です。

当院によく相談に来られる症状に便秘があります

 日本の便秘治療では長らく、便秘薬はマグネシム製剤(1823年にシーボルト先生が日本に伝えて以来、ずっと使われてきた由緒正しい便秘薬です)と大腸刺激剤が使われてきましたが2012年頃から、新しい作用機序の下剤や、保険診療上、他の疾患にしか使えなかった下剤が機能性便秘(いわゆる普通の便秘)にも使える様になってきました。

 下剤には大きく分けて、2種類あります。便を柔らかくする薬と腸を動かす薬の2種類です。酸化マグネシウムは便を柔らかくする効果、漢方薬のダイオウや生薬のセンナなどの生薬に含まれに含まれるセンノシドやという成分は腸を動かす効果があります。

以下に新しく登場した下剤も含め、下剤について紹介します。

上皮機能変容薬:

小腸の腸管粘膜上皮に作用して、腸管内の水分分泌を促進して、便の水分含有量を増加させ、便を柔らかくします。(便を柔らかくする)

  •  ルビプロストン 吐き気が出ることがありますが、消化管運動賦活薬(腸を動かす薬)と合わせて内服すれば相乗効果も期待できます。妊婦さんには使用できません。
  •  リナクロチド 神経伝達を阻害して腹痛を抑える効果もあり、便秘型過敏性腸症候群にも使えます。

胆汁酸トランスポーター阻害薬:

回腸末端(小腸の終点)で吸収される胆汁(肝臓から出る消化液)の吸収を阻害して、大腸内へ入る胆汁を増加させ、大腸運動を促進させたり、便中の水分を増加させます(便を柔らかくする。腸を動かす。1剤で2つの効果をもつ薬)

  •  エロビキシバット 朝食前に内服すると、最も効果的です。

ポリエチレングリコール製剤:

高分子化合物のポリエチレングリコールの浸透圧効果により、便中の水分を増加させ、便を柔らかくします。(便を柔らかくする)

  •  マクロゴール4000 溶かして飲むタイプの粉薬です。飲むと塩味がします。水だけではなく、お茶、ジュースなどに溶かして服用しても構いません。コンソメスープなどに溶かすと薬特有の味が軽減します

マグネシウム製剤:

かのシーボルト先生が1823年に日本に持ち込んで以来、日本での便秘治療の主役であり続けた薬剤です。マグネシウムは腸管から吸収されにくいため、浸透圧により大腸内の水分貯留を促し便を柔らかくする効果があります。(便をやわらかくする)

吸収されにくいとはいっても、少しは吸収されるため、高齢者や腎不全の人に使用しつづけると腎臓から排泄されにくいことから高Mg血症となって、低血圧や呼吸抑制の原因となり、最悪、心停止などの副作用の危険があるので注意が必要です。

  •  酸化マグネシウム(カマ)

アントラキノン系下剤:

センナや漢方薬の大黄に含まれる下剤としての効果はアントラキノンと呼ばれる成分による腸管運動亢進作用によります。(腸を動かす) 連用することで薬が効きにくくなる、メラノーシスといって大腸が黒くなる、腸管が拡張するなどの変化が起きるとされているため、使用はどうしても便がでないときに頓用で使うことが勧められています。

  •  センノシド

ピコスルファート:

腸管蠕動を活発にする刺激性下剤です(腸を動かす)。アントラキノン系より薬が効きにくくなりにくいとされていますが、基本的には毎日飲むものではなく、頓用使用が推奨されています。大腸内視鏡の際の前処置の腸管洗浄にも使用されます

  •  ピコスルファート

二糖類:

ほとんど分解されることなく、大腸に到達し浸透圧により便中の水分を増加させ、便を柔らかくする効果があります。また、ラクツロー スは大腸で腸内細菌により分解されて有機酸(乳酸、酪酸等)が 生成され、腸管の蠕動運動を亢進させる効果も期待できます。以前から高アンモニア血症による脳症(肝不全による肝性脳症など)に使用されてきました(ラクツロースの分解で産生される有機酸は腸管内pHを低下させ、アンモ ニア産生菌の発育を抑制し、アンモニア吸収が抑制されること により、血中アンモニア濃度低下作用を示します。)が、2018年から慢性便秘症にも使えるようになりました。(便をやわらかくする、腸を動かす)

  •  ラクツロース

漢方薬:多くの漢方薬の下剤は、大黄という成分による腸を動かす効果を期待する刺激性下剤に分類されます。大黄の成分はセンナと同じでアントラキノン系に分類されるため、連用すると効果減弱(だんだん効かなくなってくる)ことがあります。潤腸湯は、腸内の水分を増加させ、便を柔らかくする効果もあるとされます。大建中湯は腸管蠕動運動を亢進させる効果が期待されます(腸を動かす)が、大黄は含まれていないため耐性はつきにくいとされています。

 大黄甘草湯、麻子仁丸、潤腸湯、大建中湯など

その他、下剤の補助薬

 腸管蠕動運動促進薬

 整腸剤、乳酸菌製剤

 ポリカルボフィル:高分子ポリマーで水を吸って膨らみます。下痢便は形ある便に、硬便は水分を補給してちょうどよい硬さにします

長くなったので今日はこの辺で