がん検診
新星おなかのクリニックは札幌市のがん検診の指定医療機関です。
当クリニックでは大腸がん検診・前立腺がん検診を行っています。
※自費診療料金の見直しを行っております。自費での接種をお考えの方はお問い合わせください。(2024/6/1)
健診、内視鏡検査、外来受付を再開いたします
新型コロナウイルス感染症対策を行っての対応になりますので、
健診、外来受付はネットでのご予約は承れません。
事前にクリニックにお電話でお問い合わせください。
内視鏡検査については、一度、受診頂いてからのご予約になります。
内視鏡検査前の受診予約はネットからでもできますので、ネット予約をご利用ください。
受診について
札幌市がん検診は札幌市内にお住まいで、職場検診等での受診の機会がない方が対象となります。
※会社等で検診・家族検診を行っている場合は、会社等の検診をお受けください。
予約する際や受診する際は「札幌市のがん検診を受診したい」と事前にお伝えください。
受診当日は健康保険証など氏名・年齢・住所を証明できる公的証明書をお持ちください。
※費用免除となる方は、必ず証明書類もあわせてお持ちください。
費用免除について
次に該当する方は、証明書類の提示により費用が免除となります。
※平成23年4月1日以降、非課税世帯の証明書類として「自己負担額0円の札幌市国保の特定健診受診券」は使用できませんのでご注意ください。
市民税非課税世帯の方 | 世帯員全員分の課税証明書 ※非課税世帯の方は、市税事務所、 各区役所で無料で発行。 札幌市がん検診で使用する旨を伝えてください。 保険料段階が第1、2、3段階の 介護保険料納入通知書(65才以上の方のみ) |
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生活保護世帯の方 | 生活保護受給証明書 生活保護世帯健康診査受診券 |
70歳以上の方 | 保険証などの年齢を 証明できる公的証明書 |
65~69歳で後期高齢者医療被保険者の方 | 後期高齢者医療被保険者証 後期高齢者健診受診券 |
支援給付世帯の方 | 本人確認証 |
大腸がん検診
対象年齢 | 検査内容 | 費用 |
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40歳以上 (受診日当日の満年齢) ※1年に1回 | 問診、 免疫便潜血検査(2日法) | 400円 |
前立腺がん検査(PSA検査)
対象年齢 | 検査内容 | 費用 |
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50~69歳 (受診日当日の満年齢) ※2年に1回 | 説明と同意、問診、 血液検査(PSA検査) | 500円 |
※50~69歳以外の方は自費での検査となります
※自費診療料金の見直しを行っております。自費での接種をお考えの方はお問い合わせください。(2024/6/1)
がん検診について
がん検診
健康診断、いわゆる健診は大きく分けて2種類あります
通常、会社などの企業が職員やその家族に対して実施しているもの(職場健診、家族向けの特定健診)や、札幌市などの自治体が自営業の人や高齢者など(会社に入っていない人達)に対して実施している健診(特定健診、後期高齢者健診)は、主に生活習慣病のチェックのための採血などを行います。
なので、毎年健診をうけているから、病気になっていないと思っていると思わぬ落とし穴があります。
日本で一番死因の多い疾患は悪性腫瘍(癌(がん)等)です。
がんは癌腫にもよりますが、基本的には早期に発見できれば救命できるようになってきています。早期に見つかるかどうかは運だけではなく、定期的な検査によるチェック(がん検診)が重要です。この、がん検診はさきほどの健康診断(特定健診)には含まれていませんので、別に受けなければ病気に気づくことなく、進行してから見つかってしまう可能性があります。
日本で行われているがん検診は
5大検診として肺がん、乳がん、子宮頸がん、胃がん、大腸がん、が挙げられます。札幌市では2018年から血液検査による前立腺がん検診も実施されています。
日本のがん検診の問題点は全体に検診受診率が低いことです。海外では胃がんや肺がんの検診を行っていない国もあるため、一概に比較できませんが、乳がん検診と子宮頸がん検診の受診率を比較すると日本の受診率が低いことがわかります(図)。
がん検診も受けただけでは安心できません。
がん検診の中には「がん」そのものを見つける検査ではなく、がんの疑いがあるかどうかを調べる検査もあります。胃がん検診のバリウム検査は見て明らかに癌が疑われることもありますが、早期がんを見つけるためにはバリウムで指摘された小さな異常を詳しく調べるために内視鏡検査が必要になります。大腸がん検診は便潜血2日法という方法を行っていますが、これは便潜血陽性なら「大腸がん」、便潜血陰性なら「正常」ということではなく、便潜血陽性の患者さんを大腸内視鏡検査によって精査すると大腸がんを含めた腫瘍性病変が見つかる可能性が高いため、便潜血陽性を指摘されたあとの2次精査としての大腸内視鏡検査を受けることが重要になります。
日本ではこの2次検査の受診率も低いことも問題とされています。
康チェックは生活習慣病をしらべる特定健診、職場健診とがん検診をあわせて受けるようにしましょう。
検診は受けたあとが大事です。異常を指摘されたら、必ず詳しい検査を受けるために専門医療機関を受診するようにしましょう。異常を指摘されても放置しているようであれば、検診を受ける意味はなくなってしまいます。
日本人の2人に1人はがんになる、3人に1人はがんで死ぬといわれています。高齢になればがんになる確率が高くなるのは仕方なくても、早期に見つけて治療することで健康寿命を延ばすことはできると思います。
がん検診は1度うけたら終わりではありません。繰り返して定期的なチェックが重要です。
がん検診には対策型検診と任意型検診があります。 日本で行われている5大がん検診は対策型検診であり、大勢の人たちのなかから検診を行うことによってがんの患者さんを見つけ出す目的の検診です。なので安価で検査を受けやすい検査になっており、自治体や企業からの補助もありますが、検査を受けただけではがんかどうかわからないため、2次検査が必要になってきます。
任意型検診とは、がんが心配だから別にどこも悪くないけど検査してみようという検診のことです。これは対策型検診で受けている検査と同じ内容でもよいですが、任意で全額自費(10割負担、健康保険の対象外)のため、最初から詳しい検査を受けることも可能です。人間ドックでオプションとして追加する検査にはこのタイプの検診もあります。
肺がんを早期に見つけるには普通のレントゲン検査だけではなかなか難しく、CTによる検査が望ましいですが、CTによる検査は対策型検診として安価に、皆が受けることができるものではありません。定期的に受けるとなると被爆の問題も出てきます。なので、症状はなにもないけど、肺がんが心配でCTを受けたいとなるとCT検査は任意型検診として実施している医療機関をさがして検査を受けることになります。
大腸がん検診は対策型検診としては便潜血2日法による検査が行われていますが、任意型検診としては最初から大腸内視鏡による検査を受けることも可能です。
胃がん検診は対策型検診としてバリウム検査と内視鏡検査の2つがあります。胃がん検診の対策型検診における内視鏡検査は、1度うけるだけで、病変があれば生検による評価、診断ができるため、がんがあるかないかはっきりします。がん検診のなかでも例外的にがんの直接診断できる内視鏡検査によるがん検診は検診としては最適ですが、対策型検診としての内視鏡検査は限られた施設でしか行うことができませんので、希望される人は医療機関のHPなどでご確認してから受けるようにしましょう。
がん検診は基本的にはスクリーニングといって、簡易検査でがんの可能性がある人を拾い上げる検査です。その中から本当にがんになっている患者さんを拾い上げていく2次検査まで受けて、初めて意味がある検診になります。逆に、スクリーニング検査で異常を指摘されても「がん」ではないこもとあります。がん検診を受けて2次検査をうけるように指摘されたら、安心するためにも、怖がらずにきちんと精密検査を受けましょう。
胃がん検診
胃がん検診にはいくつかの種類があります
従来から行われているバリウム検査、2018年から導入された内視鏡検査、胃がんそのものの検査ではありませんが、胃がんの素地となるピロリ菌感染の有無と萎縮性胃炎の有無を組み合わせて胃がんリスクの高さを評価するABC検診の3つです。
胃バリウム検査と胃内視鏡検査はどのように違うのでしょう
バリウム検査 | 内視鏡検査 | |
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検査は楽? | 人によっては? | 経鼻内視鏡による検査は比較的楽 |
精度は? | 感度 70~80%、特異度 90%程度 1) | 感度 97.7%、特異度 88.8% 2) |
早期癌の発見率は? | 発見された癌のうち、75%が早期癌 | 発見された癌のうち、75%が早期癌 |
発見後の治療 | 発見された癌のうち、40%が内視鏡治療を実施 | 発見された癌のうち、62%が内視鏡治療を実施 |
1) 有効性評価に基づく胃がん検診ガイドライン 2014年度版(2015)
2) Int J Cancer 133:653-659,2013
3) 日本消化器がん検診学会 全国集計結果報告 2017年度全国集計調査より算出
4) 新潟がんセンター病院医誌 54(1),9-15,2015
胃のバリウム検査が内視鏡検査と比較して楽かというと、経験上、一概にそんなことは言えないような気がします。バリウム飲んで、胃を含ます薬(発泡剤)を飲んで、ゲップ出そうになるのを我慢しながら、レントゲン台の取っ手にしがみつきながら、上になったり、下になったり、ゴロゴロ回されたり、最後にバリウム混じりの白いうんちがうまく出なくて産みの苦しみを味わったり、大変な思いをした挙げ句、もう一度、内視鏡検査(胃カメラ)受けなさいと指示されたら、たまったものではありませんね。
癌は早期に発見すればするほど、完治しやすいと言えます。同じ早期癌でも内視鏡治療ができる早期癌(表在癌)と手術が必要になる早期癌(粘膜下層浸潤癌)では発見後の治療方針が異なり、体への負担も異なってきます。
早期癌の発見率はバリウムも内視鏡も変わらないように見えますが、客観的な全国集計データのものは見つかりませんでしたが、単施設からの報告 4)では内視鏡検査のほうが内視鏡による治療の選択率が60%を超えており、内視鏡治療ができる胃癌は内視鏡検査のほうが発見しやすいと言えるのではないでしょうか。
注) 別々の統計データを並べて数字の大小を比較してこっちの検査のほうが良いとか悪いとか議論するのは本当は正しい比較法ではありません。あくまで参考です。
当院では対策型検診としての内視鏡検査は行っておりませんが、ABC検診という採血でできる胃がんリスク検診を行っています。
ABC検診はヘリコバクター・ピロリ菌感染による萎縮性胃炎の状態によって、胃がんになるリスクを推定して行う検診です。ピロリ抗体(ピロリ菌感染の有無を調べる)検査とペプシノゲン検査(萎縮性胃炎の程度を調べる)を組み合わせて行います。胃がんリスクが高いと診断された場合は内視鏡検査でピロリ菌感染と胃がんのあるなしを確認することを強くおすすめします。
もちろん、当院で任意型検診としての内視鏡検査をご希望していただいても構いません。
最初から内視鏡検査を受ける気がしないのであれば、まず、ABC検診がおすすめです。