薬剤の服用歴、他院の検査結果について
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。
院長の中島です
受診の際に、特に初診の場合、現在治療中の疾患について、服用中の薬、薬剤アレルギーについてお聞きすることがあります。また、通院中の疾患や過去に治療した疾患(既往歴)について必ずお聞きしています。
これは、当院で薬を投与する場合、アレルギーによる問題を起こさないようにする、同じ薬効の薬を処方していないか、相互作用のある薬がないかを考える上で必要で重要なことです。
また現在、お困りの症状や病気が現在通院している疾患と関係があることもありえますし、過去の治療歴が現在の病状に影響することも考えられますので、患者さんを診療する上で既往歴をお聞きすることはとても重要なことです。
服薬歴について
当院で薬を処方する場合(新規処方)、アレルギーや同効薬処方の重複を回避する、相互作用を調べて問題ないかを検討する(新型コロナウイルスの抗ウイルス薬は相互作用がとても多く、処方する際は気を使います)ため、現在服用中の薬の内容を把握することは非常に重要ということは先程お伝えした通りです。現在服用中の薬の内容は新規薬剤を処方する場合以外にも、今の病状に関係していないか、つまり薬の副作用で体調が悪くなっていないか、採血結果で腎臓や肝臓の機能が障害されていないかなどを考える上でも必要になってきます。
昔ながらの「おくすり手帳」を提出していただくのも結構ですし、医療DXの推進でマイナンバーカードによる医療情報取得ができると、(数ヶ月前の情報にはなりますが)他院で処方された薬の内容を把握することができますので、ぜひ医療機関受診の際にはマイナンバーカードの(保険証としての)ご利用をお願いします。
近い将来、電子処方箋が導入されれば、処方内容がリアルタイムに反映されるため、さっき受診した医療機関で処方された処方箋の内容も電子カルテ上で確認することができるようになり、ますます安心、安全な質の高い医療の提供が可能になります。
注意しなければならないことは、医療機関で処方された薬以外に、薬局で購入した市販薬や、いわゆる置き薬の服用や、健康食品、サプリメントの類を常用しているときです。これらのなかには医薬品に分類されないものもありますが、副作用(肝障害や腎障害など)に関与していることがありえるため、もし服用歴があれば医療機関に受診する際には、摂取している(過去に摂取していた)健康食品、サプリメントの内容も教えていただくと大変参考になります。
既往歴と他院での検査結果について
何らかの既往歴のある患者さんはおそらく、他院で採血などの検査が定期的に実施されていることと思います。残念ながら、現在はこれらの採血結果は、マイナンバーカードを利用しても確認することはできません。特定健診の結果はマイナンバーカードで確認することができるため、生活習慣病に関連する採血データは一部確認させていただくことができるのですが、その他の疾患に関連するデータは患者さんが医療機関から結果をもらって見せていただかないと、他の医療機関ではデータを参照することができません。
また、採血以外の検査結果については何等かのかたちで病状説明内容を見せていただくか、画像データなどを確認しない限りわかりません。
患者さんのなかには、かかりつけ医で相談しても改善しない症状について、他の医療機関で相談することもあると思います。こういった場合、まずかかりつけ医でどこまで検査したのか、どういう結果だったのかを把握することは大事です。
医療機関で検査を受けた場合、結果をもらうよう医療機関に依頼すること、もらった結果は最低でも1年位は保管しておき、他の医療機関に受診するときは、そのデータを持参することを心がけていただくと、同じ検査を何度も行ったりするような医療費と時間の無駄遣いを避けて、早く診断と治療にたどり着くことができるようになるので、お奨めします。
もとの医療機関で相談しても解決しない症状については、かかりつけ医にもう一度ちゃんと相談してそれでも解決しなければ、診療情報提供書を依頼して、それまで調べた検査結果を新しく受診する医療機関に提供してもらうのも良い方法です。
医療DXの推進
医療DXが進むとこれらの診療情報、検査データの医療機関での共有も簡便になると思います。
まずは、マイナンバーカードによる診療が医療DXの基本になっているので、マイナンバーカード利用推進にご協力ください。