H.pylori除菌後胃癌
こんにちは。院長の中島です。
H.pyloriを除菌すると胃癌リスクは下がります。しかし、全くなくなるわけではありません。
H.pyloriによってひき起こされる萎縮性胃炎の萎縮の程度によっては残念ながら除菌後も胃癌リスクは続くと考えられています(もちろん除菌しない場合と比較して、リスクは低下するのですが)。
除菌後胃癌はいつ見つかることが多い?
除菌後10年をすぎると、除菌後に発生する胃癌のリスクの心配が出てくると考えられています。
除菌後比較的早期に(3年以内)に見つかる胃癌もありますが、これらは除菌後に発生したというより、除菌前から存在していたものが顕在化したものが多いのではないかと考えられています。
除菌する前に内視鏡検査を必ず受けていただきますので(他院で検査済みであれば再検査は不要なこともあります)、除菌前に胃癌はないと判断して除菌しますが、微小な胃癌(5mm以下程度)は見つけにくいこともありえます。
こういった微小胃癌の取りこぼしを防ぐために、当院では除菌後3年間は毎年、内視鏡検査を受けていただくことをおすすめしています。
除菌後胃癌の特徴
除菌後胃癌の特徴は
- 胃炎との区別が難しく発見が困難
- 典型的なH.pyori関連胃癌と内視鏡所見が異なり、一見、胃癌に見えにくい
などの特徴があります。
怪しいと思われるものは積極的に生検などで確認することが大事です。
除菌後胃癌にならないために気をつけること
もっとも大事なことは、
除菌後も胃癌リスクがあることを忘れずにリスクに応じて定期的な内視鏡検査を受けていくことです。
定期的な内視鏡検査の間隔(1年ごと、2年ごとなど)については萎縮の程度や範囲、除菌後経過した年数によりますので、主治医とご相談ください。