貧血

こんにちは。院長の中島です。

また、思いついたように、病気についてシリーズの更新です。

今回は貧血についてです。

大人の貧血は実は、怖い病気と関連することもあり、消化器内科とも深く関連があります。

みなさんは貧血と聞くと、どんな病気を思い浮かべますか?

「学校の朝礼で校長先生の話がムダに長くて、ぶっ倒れるやつ?」

「急に立ち上がったら、頭クラクラするやつ?」

これらは、厳密には貧血とは言いません。脳貧血という言葉で表現されることもありますが、医学的にはそういう病名もありません

「貧血」とは血液中の赤血球の数が少なくなることです

では赤血球は体のなかでどれくらいあればいいのでしょうか

赤血球系の正常値(赤血球指数)

項目名単位男性女性
RBC(赤血球数)×104/μL438~577376~516
Hb(血色素(ヘモグロビン))g/dL13.6~18.311.2~15.2
Ht(ヘマトクリット)%40.4~51.934.3~45.2
MCV(平均赤血球容積)fL83~10180~101
MCH(平均赤血球ヘモグロビン量)pg28.2~34.726.4~34.3
MCHC(平均赤血球ヘモグロビン濃度)%31.8~36.431.3~36.1

貧血の症状

赤血球の役割は体の臓器、筋肉、組織に生命活動を続けるために必要な酸素の運搬です

なので、貧血つまり、赤血球が少なくなると、その症状は

 疲れやすい、だるい(易疲労、倦怠感)

 運動時の息切れ、息が続かない(持久力の低下)

 頻脈(脈が速いこと。普通は50~90回/分ぐらい)

という、体の酸素不足からくる症状が考えられます。

冒頭の校長先生の話が長くて倒れるのは貧血による持久力不足、急に立ち上がって頭がクラクラするのも本当に貧血が関与することもあり得ますが、多くは自律神経の調節不良による血圧低下で頭(脳)に行く血流不足などが原因で、実際に本物の貧血(赤血球減少)を伴っているとは限りません。

実際は、貧血の進行が急激におこれば、上記のような症状を自覚することもありますが、慢性にゆっくり進行した場合は、採血結果をみてびっくりするぐらいの貧血があっても、自覚症状がないこともあります。

他に、

爪の変形(匙状爪)

舌が赤くなり、疼痛を感じる(Hunter舌炎)。舌が赤くなり、痛くなることに加え、口角に炎症がおきたり、食べ物が飲み込みにくくなる(Plummer-Vinson症候群)

という症状もあります。

今日はこんなところで。お話は続きます。