痛くないインフルエンザワクチン!! 「フルミスト」について

こんにちは院長の中島です

2024年10月から第一三共から国産の経鼻弱毒生インフルエンザワクチンのフルミストが販売になりました。(薬事承認は2023年3月27日、)

フルミストは2003 年に初めて米国で承認され、2023 年 4 月時点で 36 の国と地域で承認されています。

すでに、海外製のフルミストを輸入して独自に接種を実施している医療機関もありましたが、このたび正式に日本で薬事承認を得て10月から一般のクリニックでも接種が可能になりました。

フルミストの特徴

  • 痛くない(鼻腔噴霧による接種方法)
  • 弱毒生生ワクチンである
  • 鼻腔へ噴霧することで免疫を成立するため、粘膜でのIgAが誘導され感染予防効果が従来の注射のワクチンよりも高いことが期待される(ただし、従来の不活化インフルエンザHAワクチンと比較したインフルエンザ罹患予防効果に対する明確な優位性は確認されていません)。
  • シーズン中、接種は1回で済む
  • 対象年齢は2歳~19歳未満 (当院では小児の接種は実施しておりません。15歳以上~19歳未満が接種対となります。また、フルミストは現在は成人に対する接種は承認されておりませんのでご注意ください)
  • 他のワクチンとの同時接種も可能

フルミストの副反応

10%以上鼻閉・鼻漏(59.2%)、咳嗽、口腔咽頭痛
1〜10%未満鼻咽頭炎、食欲減退、下痢、腹痛、発熱、活動性低下・疲労・無力症、筋肉痛、インフルエンザ*
1%未満発疹、鼻出血、胃腸炎、中耳炎
頻度不明顔面浮腫、蕁麻疹、ミトコンドリア脳筋症の症状悪化
フルミストの主な副反応(国内)

*接種後数日にインフルエンザ様症状を呈した場合に、病原体検査を行った場合にワクチン由来ウイルスが検出され、インフルエンザと診断される可能性があります

フルミストの接種を避けたほうがよい患者さんとは?

2024年9月2日付けで日本小児科学会予防接種・感染症対策委員会から「経鼻弱毒生インフルエンザワクチンの使用に関する考え方」が公表されています。

その中でフルミストではなく、従来の不活化インフルエンザHAワクチンを推奨する場合が挙げられています。

一般的にインフルエンザに限らずワクチンは下記に該当する方への接種を控えるとされています。

  • 明らかな発熱を呈している者
  • 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者
  • 本剤の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな者(フルミストの場合ゼラチン)
  • 明らかに免疫機能に異常のある疾患を有する者及び免疫抑制をきたす治療を受けている者

その他、

インフルエンザワクチンはフルミストも従来の不活化ワクチンも卵から製造されるため、鶏卵、鶏肉にアレルギーがある患者さんも接種はできません。

フルミストではなく、従来の不活化インフルエンザHAワクチンのみを推奨する方として

  • 生後 6 か月〜2 歳未満、19 歳以上(フルミスト接種の対象年齢層以外)
  • 喘息患者
  • 妊婦、授乳婦
  • 周囲に免疫不全患者がいる場合
  • 免疫不全患者、無脾症患者
  • ミトコンドリア脳筋症患者
  • ゼラチンアレルギーを有する患者
  • 中枢神経系の解剖学的バリアー破綻がある患者

が挙げられています

接種について、ご不明な点があればスタッフまでご相談ください

当院でのフルミスト接種について

  • 対象年齢 15歳~19歳未満
  • 料金 ¥8000(税込み ¥8800)
  • 接種期間 2024年10月1日~2025年1月31日

となっております。数に限りがあります(2024年10月10日時点 20人分)のでご予約はお早めに。

「フルミスト接種を避けたほうがよい患者さん」に該当しない方で、注射の嫌いな方1回で従来のワクチン2回分に相当する十分な効果を期待する方(受験生など多忙の方)はフルミストの良い適応ではないかと思います。

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