高血圧について
収縮期血圧と拡張期血圧って?
血圧には収縮期血圧と拡張期血圧があります。
そうです。普段血圧を測定すると数値が2つ書いてあり、よく上の血圧と下の血圧と呼ばれているものです。
上の血圧、つまり数値が大きいものが収縮期血圧
下の血圧 数値が低いほうが拡張期血圧です
心臓は血液を全身に循環かせるポンプ機能があり、ポンプとして血圧を送り出すために収縮しているときの血圧は高く、血液をポンプの中にためているとき(心臓が拡張しているとき)の血圧は低くなるのでその両方を測定していることになります。
正常血圧はどれくらい?
正常の血圧とはどれくらいの血圧のことでしょうか?
至適血圧は収縮期 120 mmHg未満、かつ 拡張期 80 mmHg未満 (診察室血圧)
とされています。
こういうと120台/80台 mmHgは正常血圧でしょう?という患者さんがいますが
至適血圧を正常血圧ということとすれば
110台以下/70台以下 mmHg
ということになります。
結構、厳しい数値ですよね。
つまり、血圧が高いと言われていない人や、血圧は正常と思っている人でも結構高めで放置されている方は多いんじゃないかと予想されます。
診察室血圧と家庭血圧
高血圧の診断の前に血圧は測定する環境(状況)によって変わることがあります。
例えば、医療機関に受診するといつも高いという人がいます。こういう人は自宅では血圧は正常範囲なのですが、緊張したりすると血圧が上がってしまって、医療機関を受診したり、健診で血圧を測定したときに血圧が高くなるため、高血圧と診断されてしまいます。こういう血圧上昇のパターンをとるひとのことを白衣高血圧症と言います。
白衣高血圧症のように緊張などで血圧が容易に上昇する人は、血圧の変動があり、高血圧の素因があると考えられています。
現在は、血圧の治療で最も重視するのは自宅での血圧で、自宅血圧が至適血圧の範囲であれば、治療の必要はないと考えて良いでしょう。
高血圧の診断
診察室で測定する血圧と自宅で測定する血圧には差があるため高血圧と診断する際には、診察室での血圧か自宅で測定した血圧か考慮して診断します。
高血圧の診断は診察室血圧で
収縮期血圧140 mmHg 以上 または/かつ 拡張期血圧 90 mmHg 以上
つまり、収縮期血圧が上限(140mmHg)以上か拡張期血圧が上限(90mmHg)以上、いずれかを満たせば高血圧と診断されます。
家庭血圧における高血圧の診断は
収縮期血圧135 mmHg 以上 または/かつ 拡張期血圧 85 mmHg 以上
となっています
高血圧の治療の基本は生活習慣の改善
家庭血圧が至適血圧(正常値)を超えている場合は、薬物療法が直ちに必要とは限りませんが、軽症であれば、塩分制限などの食事療法や運動療法などによる非薬物療法をまず試してみて、治らない場合には薬物療法を検討する必要があります。
つまり、高血圧は生活習慣病なので生活習慣をまず直すことが第一ということですね。
ちなみに至適血圧を超えた場合、高血圧と診断される血圧未満でも、臨床的には高血圧に伴う合併症リスクが高くなるため、正常域高血圧、境界域高血圧などと呼ばれ、少なからず食事療法や運動療法の対象と考えられています。
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