胃炎の京都分類
こんにちは 院長の中島です
病気についてシリーズ第3弾です。今日は消化管疾患として胃炎のお話です。
慢性胃炎について、表層性胃炎、萎縮性胃炎、肥厚性胃炎などの分類が従来用いられてきましたが、2013年に日本の京都で開催された第85回日本消化器内視鏡学会総会で、胃炎の診断と分類、H.pylori感染の有無、胃癌リスクを評価しうる、客観的、簡便で、胃炎所見を明確化した「胃炎の京都分類」が提案されました。
この分類はさらに検討を重ね2014年に成書として初版、2018年に改定第2版が発行されています。
京都分類を元に内視鏡観察を行うと、従来、上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)を受けたことがあり、異常なしとされていた患者さんの中にも、明らかなH.pylori現感染所見が認められることも多く経験されます。
内視鏡所見からH.pylori感染の有無を精度高く推定することができるようになり、H.pylori感染を積極的に疑い、複数の方法で検査することにより、これまで見逃されてきたH.pylori感染を的確に診断し除菌療法へつなげることができるようになった、画期的な胃炎の分類、表記方法だと思います。
今後は積極的なH.pylori除菌の推進により胃癌の発症が少なくなることが期待されます。